東京都練馬区
”お酒はないけれど、バーのように楽しめるお店にしたいんです”
”珈琲と美を楽しんでもらうお店です”
”「純喫茶」にしたいんです。
「喫」とは、飲食を堪能するという意味で、
純粋に、飲食を楽しんでもらう場所。”
“マスターと話したい人は話す。
静かにしたい人はする。
本を読みたい人は読み、パソコンで作業したければできる。”
”でも、
みんながお店の雰囲気を作ろう、大事にしようとするような。
自然とかっこつけたくなるような。”
静かな、お寺の参道沿いの立地です。住宅が多い場所柄ですが、居酒屋や飲食店は少しあっても、それ以外の選択肢が少ないエリア。
そこに、お酒が飲めなくても楽しめる、バーのような喫茶店を作る計画です。長いカウンターに並んで座ってもらうため、店主はすでに、奥行のあるテナントを選んでいました。
仕事終わり、家に帰る前にちょっと寄れるような場所であることと、同時に店主の「自分の場所」として、自らの審美眼により選ばれた、個性の強い美術品を並べたいとのことでした。
店主が作り上げた空間で、訪れるお客様は誰でもない私になって、ただ楽しむ場所。
外から、少しだけのぞける。
扉は、少しだけ入りづらい。
カウンターのどの席に座るか、考えながら歩ける間合い。
座り心地の悪くない椅子。
少しドキドキするような美術品の数々。
マスターは寡黙なのかおしゃべりなのかわからない。
気付けば、見知らぬ隣の人と会話している。
そんな居心地をかなえるため、構成はシンプルに、力強い素材を用いたデザインを一つ一つ、積み重ねました。立派なカウンターは、木の色そのままのパドックを使い、客席の壁は、左官の千壱屋さんの手によりお茶室にも使われる土で仕上げられています。
小さな喫茶店は、地域の交流の場として、当初の想定よりもだいぶ賑やかになっているようです。
店舗 / 内装改修
所在地 | 東京都練馬区 |
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用途 | 店舗 / 喫茶店 |
店舗面積 | 9.8坪(32.4㎡) ※内部のみ |
設計 | あおいも |
施工 | 株式会社商店建設 |